生前対策に関する基礎知識や事例Knowledge

所有する財産の金額の多寡に関わらず、生前に相続対策を行っておくことはとても重要です。
いわゆる『争族』は生前の相続対策が不十分だったために発生しているものも多く、自分の意思をしっかり残すことで遺族間の不要な争いを防ぐことができます。

遺言書の作成は生前対策のなかでも一般によく知られているものと言えます。
遺言書には①自筆証書遺言②公正証書遺言③秘密証書遺言という3種類の遺言方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
2019年に施行された改正相続法のなかに遺言書に関するものもあるため、有効に活用するには作成方法などに注意が必要です。

他に、暦年贈与などを始めとした生前贈与などを活用することで、相続税の対策を行うこともできます。
しかし、暦年贈与も相続開始前3年以内の贈与は相続財産に戻して相続税の計算および申告を行わなければならないという落とし穴があり、贈与開始時期や贈与を行う相手などに十分留意のうえ行わなければなりません。

また、生前対策としてよく挙げられるもののなかに成年後見制度があります。
成年後見制度は一般の人と同程度の生活水準を実現することを制度趣旨とし、精神上の障害によって物事を判断する能力を常に欠いてしまっている人に対して、成年後見人を付与する制度のことをいいます。
成年後見人が選任された後は、後見人は被後見人に関する包括的な権限を認められます。被後見人の財産を適切に管理し守るうえで有用です。
ただし、後見人は贈与など被後見人の財産が減少する行為は認められないことも多いなどの欠点も見受けられるため、成年後見制度の欠点を鑑みて、近年、家族信託を検討される方も増えてきています。

家族信託とは、親などが信託契約によって、自分が所有している動産、不動産を家族に対して管理処分を託す手段です。
こちらは、当事者双方の取り決めによって信託契約が結ばれるため、非常に柔軟に財産管理ができます。また、家族信託は本人に判断能力があるうちから運用出来ることも、メリットの一つと言えるでしょう。

このように生前対策と一口にいっても方法は多岐に渡り、有効な方法はそれぞれのご家庭の状況によっても異なるため、十分に検討を行うことが大切です。

小林総合法律事務所は、東京都、神奈川県、千葉県において、相続や生前対策に関わるご相談を受け付けております。
「自分の相続対策に漏れがないか」「自分の資産状況や家族構成ではどんな対策が最善なのか」など、お悩みのことがございましたら、いつでも当事務所へご相談ください。

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[第二東京弁護士会]弁護士 小林 博孝

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