マンション管理費滞納問題を解決する方法
マンション管理費の滞納に対処する(法的)手段として、
①直接交渉
②内容証明郵便による支払い督促
③簡易裁判所による支払い督促
④支払い請求訴訟
が挙げられます。
順に見ていきましょう。
①直接交渉
これは、管理費滞納者の住居に赴き、滞納している管理費の請求をすることです。この点のメリットとしては、経済的なコストがかからないことですが、滞納者は「お金が用意できていない」などと言い訳をしたり、はぐらかしたりする可能性があります。よって、まずはやってみるけれど、あまり期待できない方法になります。
②内容証明郵便による支払い請求
これは、郵便局の内容証明郵便を用いて滞納金の支払い督促を行うことです。滞納者は郵便局からの書面ということで、心理的なプレッシャーから滞納金を支払うことが期待できます。
また、内容証明郵便による督促は、滞納金支払い債権の消滅時効の完成猶予事由となり、内容証明郵便の到達から6カ月を経過するまでの間は消滅事項は完成しません(民法150条1項)。
③簡易裁判所による支払い督促
これは、申立人の申し立てのみに基づき、簡易裁判所の書記官が滞納者に管理費の支払いを命ずる制度です。裁判所を介する法的措置として最もコストがかからないのが簡易裁判所による支払督促になります。
また、書類審査のみで行われ、当事者は裁判所に出向く必要がないので、迅速な対応もなされるところも特徴です。
④支払い請求訴訟
これは、裁判所に訴状を提出し、裁判官の判断により滞納金の支払いを命ずることです。「訴訟」といっても、日本の場合は裁判外での和解や調停により紛争解決がなされることが圧倒的に多いです。訴訟に限っていえば、時間的・経済的なコストは他の法的手段よりもかかることが予想されます。
また、請求が認められない場合は滞納者に滞納金を支払う義務がないことになります。
もし③と④により請求が認容されると、滞納金の回収のために強制執行がなされます。強制執行の例としては、例えば滞納者の動産や車を差し押さえ、換価することでなされます。もちろん、判決が確定した後に滞納者が自発的に滞納金を支払う場合はこのような強制執行は行われません。逆に行われたならば、滞納者は請求意義の訴え(民事執行法35条1項)を提起することにより二重弁済の負担を逃れられます。
以上のような方法で滞納金を回収することができます。もちろん、個々のケースによって最善の解決方法は異なります。
マンション管理費滞納にお困りの方は、小林総合法律事務所にお問い合わせください。当事務所は個々のケースに即した解決方法をご提案いたします。
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